岩手県の地盤調査事例

岩手県の地盤について

北上山地に分布する砂岩・真岩は、比較的硬質な岩盤ですが、地殻変動による亀裂が発達し、緩みが生じやすいです。宮森岩体などの2台岩体などに、堅硬緻密な超塩基性岩が分布しています。ただ、蛇紋岩化すると強度が著しく低下し、岩盤膨張の原因になります。県全体に古期花崗岩類や白亜紀花崗岩類が分布しています。

奥羽山脈に広く分布する新第3紀層のうち、グリーンタフと呼ばれる凝灰岩類は、変質による膨潤性粘土鉱物を伴うことも多く、注意が必要です。また県内には、八戸ローム等のローム（火山灰質粘性土）があり、コネ返しによる強度低下が著しい、水の浸食に弱く斜面にガリーが発生したり地震時に斜面崩壊や液状化する等の特徴があります。平野部と山間低地に軟弱地盤がみられます。

現場によって調査方法が変わる

地盤調査については、土木センターや市役所などからの受注が多く、その実績は、ため池・湖沼・貯水池調査に機械ボーリングや現場透水試験を行ったり、機械ボーリングと標準貫入試験、解析等の調査を行う業務、調査孔設置と地下水位観測、井戸水量調査、井戸水質調査などの調査を行う業務、機械ボーリングや標準貫入試験等の他にスウェーデン式サウンディングも行う調査業務など、発注者や現場によって調査方法を柔軟に変えています。

地域コンサルタントとしての立場

岩手県の地域コンサルタントとして、気候・風土・暮らしを見つめ、地域とそこに暮らす人々にとってより良い社会基盤を提供することを目指しています。地盤調査においては、道路構造物・橋梁・建築物等の基礎調査のためのボーリング調査および各種試験を行っています。建設事業による周辺環境への影響を調査し、保全対策を行います。

地耐力を出す標準貫入試験

試料（コア）を採取しながら標準貫入試験を行い、N値の測定をして地耐力を出します。そのうち、比較的簡単に地耐力を測定するサウンディングも行っています。主な業務は、地質調査（標準貫入試験・サンプリング）、土質試験、水源調査、さく井工事・温泉井掘削工事、立型集水井戸、特殊土木工事、地すべり防止工事、トンネル先進調査ボーリング、海上ボーリングなどがあります。

地盤情報の取得を目的とした各種調査を行う

地盤調査においては、主に災害などで被害を受けてしまい復旧が必要となる施設等への地盤情報の取得を目的とした調査・立案・実施を行います。具体的には、資料調査・空中写真判読・地表地質踏査や、ボーリング調査やサウンディング試験などの構造物基礎調査、路線地盤調査、地震災害対策のための地質調査などを行います。